レカロのチャイルドシートは廃盤? いいえ、新しい世代へ。歴代モデルと、いま選べる3モデル
COLUMN / ブランドの歩み

レカロのチャイルドシートは廃盤? いいえ、新しい世代へ。歴代モデルと、いま選べる3モデル

公開日:最終更新日:
結論

レカロのチャイルドシートは廃盤ではありません。日本では2025年からキセノン 1とアクシオン 1を、2026年10月からベリックス 1を販売しており、3モデルとも最新の安全基準R129に適合しています。Start J1やZero.1などの以前のモデルは、当時の国内販売元が取り扱っていた製品です。

この記事の目次
  1. 始まりは1963年のドイツ
  2. 自動車のシートづくりを、子どもの席へ
  3. 日本で使われてきた歴代モデル
  4. 2025年、R129世代のモデルへ
  5. 「もう買えない」と思われていた理由
  6. まとめ

「レカロのチャイルドシートは、もう売っていないのでは」。そんなお声をいただくことがあります。

答えは「いいえ」です。レカロのチャイルドシートは世代を変えながら続いていて、日本でも2025年から、最新の安全基準R129に適合した新しいモデルを販売しています。

この記事では、レカロのチャイルドシートがどこから来たのか、日本でどんなモデルが使われてきたのかを、写真とともにたどります。

始まりは1963年のドイツ

1960年代のドイツの工房をイメージしたイラスト

RECAROという名前が生まれたのは1963年です。ポルシェの車体を手がけていたシュトゥットガルトの会社「ロイター社(Stuttgarter Karosseriewerk Reutter & Co.)」が、シートづくりに専念することになり、社名の「REutter CAROsserie」を縮めてRECAROとなりました。1965年に発表したスポーツシートは、体を横から支える形で自動車のシートを大きく変えています。

同じ1963年、ドイツ・バイエルン州のシュトルヒェンミューレ社が、子ども用のカーシート「Niki」を発売しました。ドイツの郷土博物館の収蔵記録では「世界初の子ども用カーシート」と紹介されています。1960年代の前半はイギリスやアメリカでも子ども用シートの考案が相次いだ時期で、どれが最初かには諸説ありますが、ドイツでもっとも早い時期のひとつであることは確かです。

このシュトルヒェンミューレ社は、2004年にレカロのチャイルドシート部門と一つになります。レカロのチャイルドシートには、自動車シートのメーカーとしての技術と、1960年代から子どもの席を作ってきた会社の経験、2つの源流があるのです。

自動車のシートづくりを、子どもの席へ

スポーツシートとチャイルドシートを並べたイメージイラスト

レカロのブランドで最初のチャイルドシートが登場したのは1998年です。「RECARO Start」は、お子さまの成長に合わせて大きさを変えられるアルミニウムの骨格を備えていました。

2006年には新生児からジュニアまで、すべての年齢区分をそろえます。2012年には、チャイルドシートの開発がバイエルン州北部のマルクトロイガストに集約され、独立した部門になりました。2014年には、この工場から年間40万台を超えるチャイルドシートが送り出されています。

体を横から支える形、長く座っても崩れにくい姿勢、側面からの衝撃を骨格で受け止める考え方。自動車のシートで積み重ねてきたことが、そのまま子どもの席にも生かされています。

日本で使われてきた歴代モデル

日本でも、レカロのチャイルドシートは多くのご家庭で使われてきました。代表的なモデルを、種類ごとにご紹介します。

新生児から使えるチャイルドシート

回転式で乗せ降ろしがしやすいモデルが中心でした。2022年からはR129に適合したモデルが加わっています。

RECARO Start iZ
2015年6月Start iZISOFIXとサポートレッグで固定する、新生児から使えるチャイルドシート
RECARO Zero.1 Select
2016年4月Zero.1 / Zero.1 Select新生児から使える360°回転式。ドイツのデザイン賞Plus X Awardでベストプロダクトに選ばれました
RECARO Salia
2022年10月Salia新生児から4歳ごろまで使える、R129適合の360°回転式シート
RECARO Salia Elite
2022年10月Salia Elite取り外せるベビーキャリア付き。ベビーカーとも組み合わせられる回転式シート

1歳ごろから長く使えるシート

ハーネスで体を支え、成長に合わせて小学生まで使えるシリーズです。

RECARO Start J1
2015年2月Start J11歳ごろから12歳ごろまで。肩ベルトと頭の位置を一度に合わせられる「HEROハーネスシステム」を搭載
RECARO J1
2017年11月J1Start J1を新しくしたモデル。3歳ごろからのJ3も同時に登場
RECARO J1 Neo
2022年ごろJ1 Neo1歳ごろから12歳ごろまで。座面に体圧を分散する高密度ウレタンパッドを採用
RECARO Toria Elite
2022年12月Toria EliteR129に適合した、15か月ごろから12歳ごろまでのロングユースシート

3歳ごろからのジュニアシート

車のシートベルトで体を固定する、背もたれ付きのジュニアシートです。

RECARO Start J3
2015年5月Start J33歳ごろから12歳ごろまで使えるジュニアシート
RECARO J3 Neo
2022年ごろJ3 Neo3歳ごろから12歳ごろまで使えるジュニアシート

2018年ごろまではレカロチャイルドセーフティ、その後はアルツァーナジャパンが国内で販売していました。製品写真・発売時期は当時のプレスリリースや販売資料によります。Toria Eliteの写真は海外仕様の色です。

2025年、R129世代のモデルへ

2025年5月に、キセノン 1とアクシオン 1の販売を日本で始めました。2026年10月にはベリックス 1が加わり、新生児から小学校卒業のころまでを3つのモデルでカバーしています。3モデルとも、安全基準R129に適合しています。

RECAROの現行3モデル。キセノン 1、ベリックス 1、アクシオン 1
左から キセノン 1・ベリックス 1・アクシオン 1(いずれもバイブラントオレンジ)
キセノン 1 ベリックス 1 アクシオン 1
対象 40〜125cm(新生児〜7歳ごろ) 76〜150cm(15か月〜12歳ごろ) 100〜150cm(3〜12歳ごろ)
固定 ISOFIX+サポートレッグ、360°回転 ISOFIX+トップテザー ISOFIX(シートベルトでの設置も可)
安全基準 R129 R129 R129
国内発売 2025年5月 2026年10月 2025年5月

アクシオン 1は、ドイツ自動車連盟(ADAC)が2025年5月に発表した比較テストで、総合評価2.1(gut/良い)を得ています。大きなお子さま向けの区分で、最高評価に並ぶ結果でした。

受け継いだのは、側面を骨格で守る考え方、ドイツでの型式認証(E1)、自動車のシートから来たデザインです。新しくなったのは、すべてのモデルがR129に適合したこと、そして日本では2年間のメーカー保証をつけてお届けしていることです。

「もう買えない」と思われていた理由

霧が晴れて新しいチャイルドシートが見えてくるイメージイラスト

それでも「レカロのチャイルドシートはなくなった」という印象が残っているのは、いくつかの出来事が重なったためだと思います。

  • 2018年に、ドイツでチャイルドシートを製造していた会社が事業を終え、ブランドはライセンスの形で続くことになったこと
  • その後、日本で新品のレカロのチャイルドシートを手に入れにくい時期があったこと
  • 2024年7月に、自動車用シートの会社RECARO Automotive GmbHが破産を申請し、大きく報じられたこと

3つ目の破産申請は、自動車用シートの会社の出来事です。チャイルドシートは、ブランドを持つRECARO Holdingが2024年1月に長期のライセンス契約を結んだドイツのAVOVA社が、開発から製造までを担っています。

まとめ

成長に合わせた3つのチャイルドシートのイメージイラスト

レカロのチャイルドシートは、1963年のドイツに源流を持ち、自動車シートの技術とともに育ってきました。日本でもStartシリーズやZero.1、Saliaなど、多くのモデルが使われてきました。

いまは、R129に適合したキセノン 1・ベリックス 1・アクシオン 1の3モデルが、その歴史を引き継いでいます。「廃盤」ではなく、新しい世代へ。歴代モデルを知ったうえで、いまの3モデルをご覧いただければうれしいです。

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